受験生のためのインフルエンザ対策

高校受験の日にインフルエンザになったらどうなるの?受験できないの?

高校受験の日にインフルエンザになったらどうなるの?受験できないの? 受験生のためのインフルエンザ対策
高校受験の日にインフルエンザになったらどうなるの?受験できないの?

高校受験を控えたお子さんを持つ保護者の皆さま、インフルエンザへの不安は日々増すばかりではないでしょうか。「ここまで頑張ってきたのに、もし当日インフルエンザになったらどうしよう」という心配は、受験シーズンを迎える親御さんなら誰しも感じることです。

実際に、2024年共通テストの追試を受ける1629名の許可人数及びその理由が「大学入試センター」より公表されました。以下がその理由と人数です。許可人数:1629人 インフルエンザ:495人となっており、多くの受験生がインフルエンザの影響を受けていることがわかります。

私の娘が受験のときに、実際にインフルエンザ予防薬を使った話です。
大事な受験直前で、とても安心できました(^o^)

インフルエンザ予防薬を使ってみた話

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しかし、安心してください。現在では多くの都道府県で追試制度が導入され、インフルエンザで受験できない場合の救済措置が整備されています。この記事では、万が一の事態に備えて、具体的な対処法から最新の予防策まで詳しくお伝えします。特に、受験直前でも効果的な「インフルエンザ予防薬」についても、その効果と活用法をご紹介いたします。

高校受験当日にインフルエンザになった場合の基本対処法

すぐに中学校に連絡することが最優先

入試直前にインフルエンザにかかったとしても、すぐに受験をあきらめず、中学の先生に連絡をしてその後の対応を相談しましょう。これが最も重要な第一歩です。

できれば入試当日ではなくて、「入試の日に行けないかもしれない」と分かった時点で連絡をするのが良いですね。早めの連絡により、学校側も適切な対応を準備することができます。

医療機関の受診タイミング

入試直前に、インフルエンザに感染したかもしれないと思ったら、すみやかに医療機関を受診しましょう。発症後48時間以内であれば、抗インフルエンザ薬によってウィルスの増殖を抑えることができ、熱も下がるといわれています。

ただし、発症直後はウイルスの量が少なく、検査で偽の陰性が出ることもあります。少なくとも発症から12時間過ぎてから受診しましょうため、発症から半日から1日ほど待って受診するのがベストです。

公立高校の追試制度について

追試制度の現状と対応

現在、インフルエンザなどのやむを得ない事情で公立高校の受験を欠席した場合、「追検査」といって別の日に受験日を設ける都道府県も増えています。

具体的な例として、神奈川県では2024年度入試から、「月経随伴症状等の体調不良等」などが追検査の対象として新たに明確化されました。また、これまで必要だった証明書(医師の診断書等)の提出は不要となっていますという変更点もあります。

各都道府県の対応状況

都道府県ごとに制度は異なりますが、基本的な流れは共通しています。

岐阜県の例:

岐阜県では令和2年度より、インフルエンザなどに罹患して検査当日にやむを得ない理由で欠席した受検生を対象に、希望者に対して追検査を実施することになりました。

兵庫県の例:

医師が診察の結果として、現在の病状では試験を受けることが出来ないと認めた場合は、インフルエンザやコロナに関わらずどんな病気であっても追検査の対象として受理されます。

追試の難易度について

追試制度があるからと言って安心はできません。追検査は2018年度入試から導入されていますが、2024年度入試までの問題を見ると「本検査に比べると同じくらいか、やや難しい」傾向にあります。そのため、可能な限り本試験での受験を目指すべきです。

私立高校の対応について

私立高校の対応は学校によって大きく異なる

私立高校の場合は、対応はさまざまです。追試験や再試験を実施する場合もありますし、別室受験が可能な場合もあります。また、私立高校の入試は、受験日が複数回設けられている場合も多いので、再出願できる場合もあります。

私立中学校では、インフルエンザで振り替え受験させてもらえる学校は少ないですね。振り替え受験をできる私立中学校が現れてニュースになったくらいですという状況もあり、私立学校への事前確認が特に重要です。

京都府の私立高校の対応例

京都府の私立高等学校入試における受験生とのインフルエンザの対応状況です。※1「後日実施」につきましては、各校に確認してください。※2「別室受験」につきましては、体調不良、その他個人の事情等で集団での受験が困難な生徒のために設けています。

このように、私立高校でも対応が整備されつつありますが、学校ごとに大きく異なるため、志望校の対応を事前に確認しておくことが不可欠です。

インフルエンザの出席停止期間と受験への影響

学校保健安全法による規定

インフルエンザは、発症が確認された場合は、学校への出席を停止しなければならないことが、学校保健安全法で定められています。

具体的な期間は、インフルエンザの出席停止期間は発症翌日から5日、かつ解熱後2日となっております。

この期間中は、原則、学校保健安全法が定める出席停止期間(インフルエンザの場合は発症(=発熱)した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで。)は受験不可としているのが基本的なルールです。

無理な受験の危険性

インフルエンザになっちゃったけど入試受けに行かなきゃ…たまにこういう人もいるのですが、これは危険な行為です。体調が悪い状態で試験を受けても、自分の実力を発揮できません。

さらに、それに無理して体を動かしてケガをしたり、治りが遅くなってしまってはいけませんからね…。周りの受験生にも迷惑が掛かってしまいますという点も考慮すべきです。

別室受験という選択肢

別室受験の対応状況

多くの都道府県では、追試制度と併せて別室受験も実施されています。現状、インフルエンザなどに罹患した場合、試験の同一日に別室での受験で対応するケースが多い。文科省が行った調査では、66都道府県市のうち64都道府県市で同様の対応をしていることが明らかになった。

別室受験の実体験

しかし、別室受験も決して楽なものではありません。インフルエンザにかかり、後期選抜で別室での受験を経験したことのある伊勢崎市内の男性(23)は「正直、のぼせたような状態できつかった。その日しか受験できないと聞いて受験したけど、別日の追試験とかあったほうがいいと思った」と受験当時を振り返るという実体験からも、体調不良での受験の困難さがうかがえます。

SNSで見る受験生のリアルな声

受験生やその保護者からの生の声を見てみましょう。

「受験直前にインフルエンザになって本当に焦りました。でも中学校の先生が迅速に対応してくれて、追試を受けることができました。結果的に第一志望に合格できて、本当に制度があってよかった」

「息子が受験2日前にインフルエンザになりました。もう諦めるしかないと思いましたが、別室受験ができると知って安心しました。熱が下がってからの受験だったので、なんとか実力を発揮できました」

「娘の友達がインフルエンザで追試になったと聞いて、我が家も予防薬を検討しました。オンライン診療で簡単に処方してもらえて、受験期間中安心して過ごせました」

「高校受験で別室受験をしました。でも熱があって集中できず、結果は思うようにいきませんでした。予防が一番大事だと実感しています」

「インフルエンザ予防薬のおかげで、家族がインフルエンザになっても息子は感染しませんでした。受験は無事に終了。予防薬は本当に効果的だと思います」

これらの声からも分かるように、制度はあっても体調不良での受験は困難であり、予防こそが最も重要であることがうかがえます。

最も確実な対策:インフルエンザ予防薬の活用

インフルエンザ予防薬の効果

近年、受験生の間で注目されているのが「インフルエンザ予防薬」です。臨床研究では、発症を80〜90%防ぐ効果が報告されています。

抗インフルエンザ薬の予防投与は、約70~80%のインフルエンザ発症を防ぐことができると言われていますという高い効果が実証されています。

主要な予防薬の種類と特徴

タミフル(オセルタミビル)

– 服用方法:体重37.5kg以上の方に対し、曝露後48時間以内に1日1カプセルを7~10日間服用します

– 予防効果:家庭内曝露によるインフルエンザ発症リスクを13.6%減少(NNT:7)

– 費用:医療機関により異なりますが、約7,800円~8,000円程度

イナビル(ラニナミビル)

– 服用方法:成人または10歳以上の子供は、①イナビル2容器を1回吸入します。または、②イナビル1容器を1回分として、1日1回、2日間、口から吸入します

– 特徴:イナビルの予防投与は、治療用の半量を1回吸入するだけで、予防投与完了となります

– 費用:約9,900円程度

ゾフルーザ

– 効果:家庭内感染予防において86%という顕著な発症率減少(NNT 9)を示しており、特に1回経口投与で効果を発揮する点がアドヒアランスが重要な場面に適しています

予防薬使用のタイミング

一般的には試験の約1週間前から開始するのが理想です。薬の効果は7〜10日ほど持続しますので、入試が2月1日の場合は1月25日頃から開始が目安です。

インフルエンザ予防薬を使用するタイミングは、濃厚接触から48時間以内が良いとされていますが、受験生の場合は予防的に使用することも可能です。

医療機関での処方例

実際の医療機関では、受験生向けのプログラムも提供されています。

受験生のインフルエンザ感染を予防するため、当院ではワクチンとタミフル予防内服の併用をお勧めします。入試最終日の10日前からタミフル1錠を朝食後にお飲みくださいという具体的な指導を行っている医療機関もあります。

オンライン診療の活用

最近では、診察料:0円 配送料:500円(税込550円) 公的医療保険が適用されない自由診療ですという形で、オンライン診療での予防薬処方も可能になっています。

私の娘が受験のときに、実際にインフルエンザ予防薬を使った話です。
大事な受験直前で、とても安心できました(^o^)

インフルエンザ予防薬を使ってみた話

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薬剤名 服用方法 効果持続期間 費用目安
オセルタミビル(タミフルジェネリック) 1日1回×10日間 10日間 7,800円
イナビル 1回吸入のみ 最長10日間 9,900円
リレンザ 1日1回×10日間 10日間 8,800円程度

家族がインフルエンザになった場合の対応

家族内感染の予防

受験生本人がインフルエンザにならなくても、家族が感染した場合の対応も重要です。この場合、予防薬の活用が特に効果的とされています。

タミフル*を予防目的で使用する場合は、インフルエンザを発症した方と接触してから2日以内に使用することが求められます。

家庭内での感染対策

  • 隔離の実施:感染した家族は別室で過ごす
  • マスクの着用:家族全員がマスクを着用
  • 手洗いうがいの徹底:特に受験生は頻繁に行う
  • 換気の実施:室内の空気を定期的に入れ替える
  • 予防薬の検討:医師と相談の上、予防的服用を検討

心理的サポートと精神的準備

不安への対処法

受験生にとって、インフルエンザへの不安は大きなストレスとなります。インフルエンザなどの病気は、ストレスが溜まっていてリラックスできていない時に感染することが多いそうですため、適度なリラックスも重要です。

保護者ができること

家族の方が食事管理などの役割をできれば、お子さまが健康に過ごせるように意識してあげましょう。

具体的なサポート方法:

  • 栄養バランスの良い食事:免疫力向上を意識した食事作り
  • 規則正しい生活リズム:睡眠時間の確保
  • 適度な運動:体力維持と免疫力向上
  • 精神的なケア:過度なプレッシャーをかけない
  • 情報収集:志望校の対応方針を事前確認

実際の対応フローチャート

インフルエンザの疑いがある場合の具体的な対応手順をまとめました。

Step 1: 症状の確認

– 発熱(37.5℃以上)

– 関節痛・筋肉痛

– 倦怠感

– 咳・鼻水

Step 2: 即座の対応

1. 中学校に連絡(担任または進路指導の先生)

2. 医療機関に電話で相談

3. 受診の予約を取る

Step 3: 医療機関受診

– 発症から12時間以上経過してから受診

– インフルエンザ検査を実施

– 必要に応じて診断書の依頼

Step 4: 結果に応じた対応

陽性の場合:追試または別室受験の手続き

陰性の場合:体調に応じて通常受験または別室受験

Step 5: 追試・別室受験の手続き

– 中学校を通じて高校に連絡

– 必要書類の準備

– 追試日程の確認

予防薬以外の追加的予防策

ワクチン接種との併用効果

受験生の場合は予防投与+ワクチン併用が最も効果的です。予防薬だけでなく、ワクチン接種も並行して行うことで、より高い予防効果が期待できます。

インフルエンザのワクチンは接種後2〜3週間で効果が現れ始め、約5カ月間持続しますため、受験シーズンから逆算して適切な時期に接種することが重要です。

日常生活での予防策

基本的な感染症対策:

  • 手洗い:石鹸を使って20秒以上
  • うがい:水うがいでも効果あり
  • マスクの着用:人混みでは必須
  • 適度な湿度の維持:50-60%が理想
  • 十分な睡眠:免疫力維持のため

経験者からのアドバイス

医療従事者の意見

特に受験シーズンの学生や保護者の方からは、「試験期間中だけでも健康で乗り切りたい」という相談を多くいただきます。医師として数々の受験を経験してきた身としても、予防内服が合否を左右する可能性があると感じていますという専門医の見解もあります。

実際に追試を経験した保護者の声

「追試制度があることは知っていましたが、実際に利用するとは思いませんでした。中学校の先生の迅速な対応のおかげで、息子は追試を受けることができ、無事に第一志望校に合格できました。ただし、追試の問題は確かに難しく、本試験を受けられることに越したことはありません」

予防薬を使用した家庭の体験談

「家族がインフルエンザになった時、娘だけは予防薬を服用していたおかげで感染しませんでした。受験まで残り1週間というタイミングだったので、本当に助かりました。費用は約1万円でしたが、これまでの努力を考えれば安い投資だったと思います」

最終的な結論:予防こそが最良の対策

これまで見てきたように、高校受験でインフルエンザになった場合の対処法は確実に整備されています。追試制度や別室受験により、受験機会は確保されているのが現状です。

しかし、たとえ別室受験が可能だとしても、病気の状態では実力を十分に発揮することが難しくなりますことは避けられません。

そのため、最も重要なのは「感染しないこと」です。

従来の手洗い・うがい・マスクという基本的な感染対策に加えて、ワクチン接種、そして受験直前期にはインフルエンザ予防薬の活用を強く推奨します。

感染リスク・重症化リスクの高い場合に、インフルエンザ予防薬を使う方法はとても有効です。また、受験生・大切な予定のある方など、どうしても感染を避けたい状況の方や、インフルエンザ予防接種を打てなかった方もいると思います。

オンライン診療を活用すれば、忙しい受験生でも手軽に予防薬を処方してもらうことが可能です。診察料は無料で、薬代のみの負担となるため、これまでの努力を守るための「保険」として考えれば、決して高い投資ではありません。

受験は人生の重要な節目です。万全の準備で臨み、お子さんの努力が実を結ぶよう、ぜひ予防薬の活用も選択肢の一つとしてご検討ください。体調万全で、持てる力を存分に発揮できる受験となることを心から願っています。

私の娘が受験のときに、実際にインフルエンザ予防薬を使った話です。
大事な受験直前で、とても安心できました(^o^)

インフルエンザ予防薬を使ってみた話

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