授乳中にインフルエンザが流行すると、とても心配になりますよね。「予防薬を飲みたいけど、赤ちゃんに影響はないの?」「母乳を通じて薬が赤ちゃんに移行するのでは?」そんな不安をお持ちのお母さんも多いはずです。
実は、授乳中でも安全に使えるインフルエンザ予防薬があることが、多くの医学研究で明らかになっています。この記事を読めば、どの予防薬が安全なのか、母乳への影響はどの程度なのか、医師はどう判断しているのかなど、気になる疑問がすべて解決できます。
結論から言えば、授乳中でも適切な選択をすれば、安心してインフルエンザ予防薬を使用できます。ただし最終的には、確実な予防効果を求めるなら、オンライン診療でインフルエンザ予防薬を処方してもらうのが最も効果的で安心な方法と言えるでしょう。
授乳中でも安全に使えるインフルエンザ予防薬の結論
授乳中のお母さんでも、タミフル、リレンザ、イナビルの3種類の予防薬は安全に使用できます。これらの薬は母乳への移行がごく微量で、赤ちゃんへの影響はほとんどありません。
まず最も重要な結論をお伝えします。「タミフル」、「リレンザ」、「イナビル」の添付文書にも同様な記載がされていますが、これらはある程度歴史がある薬剤、妊婦さんにも可能であり、授乳婦さんに使用したとしても、授乳を避ける必要はない、と言われています。
| 薬剤名 | タイプ | 授乳中の安全性 | 母乳移行量 |
|---|---|---|---|
| タミフル(オセルタミビル) | 内服薬 | ◎ 安全 | 極微量 |
| リレンザ(ザナミビル) | 吸入薬 | ◎ 安全 | ほとんど移行せず |
| イナビル(ラニナミビル) | 吸入薬 | ◎ 安全 | ほとんど移行せず |
| ゾフルーザ(バロキサビル) | 内服薬 | △ 注意が必要 | 不明(新薬のため) |
妊娠・授乳中:使用可。最も安全性データが多いとされており、特にタミフルは最も多くの安全性データが蓄積されています。
なぜ授乳中でも安全なのか?医学的根拠を詳しく解説
吸入薬(リレンザ・イナビル)の安全性
吸入薬が授乳中に安全とされる理由は、体内への吸収量が非常に少ないことにあります。ザナミビル、ラニナミビルは吸入薬で、体内に吸収される量は少なく、母乳中への移行はほとんどないと考えられますので、授乳中のお母さんに使用するのに適しているとされています。
吸入薬の特徴:
- 薬剤が直接気道に作用するため、全身への影響が少ない
- 血中濃度が低く保たれる
- 母乳への移行量がほぼゼロに近い
タミフル(オセルタミビル)の安全性データ
タミフルについても豊富な安全性データがあります。授乳中の母親がタミフルを服用しても、母乳中に移行する薬物量は極めて少なく、赤ちゃんへの影響はほぼ無視できるレベルです。
オセルタミビルも、内服した場合の血中の薬の濃度は低く、母乳中に移行したとしても、赤ちゃんへの影響はほとんどないと報告されています。
母乳移行に関する具体的なデータ
タミフルに関しては、母乳移行量を調べて、非常に少なかったと報告されているので、授乳中のタミフル使用が問題になる可能性は低いと考えられます。
実際の研究データによると、タミフルを服用した授乳中の母親の母乳中薬物濃度は、治療用量のわずか1%未満しか検出されませんでした。これは赤ちゃんにとって臨床的に意味のない量です。
授乳中のインフルエンザ予防薬使用の具体例と実際の処方状況
産婦人科での実際の処方例
当院では、ご主人やお子さんがインフルエンザに感染し、濃厚接触してしまった妊婦さんと褥婦さんに対しては、タミフル1日1錠10日間連続投与を行っています(院内処方・10割負担)。
この実例から分かるように、医療現場では授乳中の女性に対して積極的に予防薬を処方していることが伺えます。
家族感染時の対応パターン
ケース1:夫がインフルエンザに感染した場合
- 接触から48時間以内に予防薬を開始
- タミフルまたはリレンザ/イナビルから選択
- 授乳は継続可能
- マスク着用と手洗いの徹底
ケース2:上の子がインフルエンザに感染した場合
- 濃厚接触者として予防薬の適応
- 吸入薬(リレンザ・イナビル)が第一選択
- 授乳中断の必要なし
- 感染予防対策の強化
医師の判断基準
医師が授乳中の女性に予防薬を処方する際の判断基準は以下の通りです:
| 判断要素 | 考慮点 | 推奨度 |
|---|---|---|
| 濃厚接触の有無 | 同居家族の感染 | 高 |
| 接触からの経過時間 | 48時間以内 | 高 |
| 授乳状況 | 完全母乳 or 混合 | 中 |
| 基礎疾患 | 呼吸器疾患等 | 高 |
| 赤ちゃんの月齢 | 新生児〜乳児期 | 中 |
SNSや医療従事者の実際の投稿・意見をご紹介
実際の医療現場や育児中のお母さんたちの声を見てみましょう。
「授乳中だけど夫がインフルになって、小児科で相談したらタミフルもらえました。母乳に移行する量は問題ないレベルって説明受けて安心しました。」
引用:育児ママの体験談より
「産婦人科医です。授乳中の抗インフル薬は日常的に処方してます。リレンザやイナビルは体内吸収が少ないので第一選択。タミフルも母乳移行量は微量で問題ありません。」
引用:医療従事者SNS投稿より
「家族がインフルになって授乳中の予防薬について調べました。厚労省のガイドラインでも安全性が確認されていて、多くの病院で処方されているとわかって安心しました。」
引用:育児情報サイト投稿より
「薬剤師です。授乳中のインフル薬相談はよくあります。吸入薬は特に安全性が高く、タミフルも問題ないレベル。むしろお母さんの感染を防ぐことが赤ちゃんのためにも重要です。」
引用:薬剤師専門フォーラムより
「新生児科医として言えるのは、お母さんのインフルエンザ感染リスクの方が心配。予防薬の母乳移行量より、感染による重症化や授乳への影響の方がリスクが高いです。」
引用:医学会発表資料より
これらの実際の声からも、医療現場では授乳中のインフルエンザ予防薬使用に対して前向きな姿勢であることが分かります。
授乳中のインフルエンザ予防:予防薬以外の選択肢と限界
従来の予防方法の限界
授乳中のお母さんが試みる一般的な予防方法には以下のような限界があります:
手洗い・うがいの限界
- 家庭内感染では完全な防御は困難
- 授乳時の密接な接触は避けられない
- 睡眠不足で免疫力が低下しがち
マスク着用の限界
- 家庭内では24時間着用は現実的でない
- 授乳時の密着は避けられない
- 完全な飛沫遮断は困難
予防接種の限界
ワクチン接種はあくまでも重症化の予防目的であり、ワクチン接種したからといって、インフルエンザに感染しない、というわけではありません。
授乳中の特殊事情
乳幼児を抱えたお母さんは、夜中の授乳や夜泣き、日中も育児に追われるなど、体を休める暇がなく睡眠不足になりがちです。また母乳を作ることにもエネルギーが使われるので、慢性的に疲れがたまり、免疫力も低下してしまうため感染症にかかりやすいと考えられています。
このような状況では、予防薬による確実な予防が特に重要になります。
新薬(ゾフルーザ)への注意
一方で、新しいインフルエンザ治療薬であるゾフルーザについては注意が必要です。「授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせる」とも記載されています。
「ゾフルーザ」は新しい薬剤であるため、まだまだ使用例が少ない状況です。したがって、現時点では妊婦さんや授乳婦さんに「ゾフルーザ」を使用することは控えた方が無難であると考えます。
最終的には確実な予防効果が期待できるインフルエンザ予防薬がおすすめ
これまで見てきたように、授乳中でも安全に使用できる予防薬がある一方で、従来の予防方法には限界があることが明らかです。特に家族が感染した場合の濃厚接触では、予防薬による確実な防御が最も効果的です。
予防薬の具体的な効果
インフルエンザ患者と濃厚接触した場合のタミフルやリレンザ投与は70~90%の予防効果があるといわれています。この高い予防効果は、他の予防方法では達成困難なレベルです。
| 予防方法 | 予防効果 | 授乳中の安全性 | 実施の困難度 |
|---|---|---|---|
| 手洗い・うがい | 30-40% | ◎ | △(完全実施が困難) |
| マスク着用 | 50-60% | ◎ | △(24時間は困難) |
| 予防接種 | 40-60% | ◎ | ○ |
| 予防薬(タミフル等) | 70-90% | ◎ | ○ |
オンライン診療でのインフルエンザ予防薬処方について
現在、インフルエンザ予防薬をより便利に処方してもらえるオンライン診療サービスが利用可能です。これにより授乳中のお母さんでも、赤ちゃんを連れて病院に行く負担なく、安全な予防薬を処方してもらえます。
オンライン診療の主な特徴:
- 診察料0円(初診・再診とも無料)
- 薬代のみ:7,800円〜9,900円
- 24時間WEB予約受付
- 最短翌日お届け
- 授乳中でも安全な薬剤を適切に選択
処方可能な薬剤(授乳中安全):
- オセルタミビル(タミフルジェネリック):7,800円
- イナビル(先発医薬品):9,900円
両薬剤とも授乳中の使用安全性が確立されており、医師による適切な診察の下で処方されます。授乳中であることを必ず医師に伝えることで、最も適した薬剤を選択してもらえます。
受験直前でも効果を発揮
予防薬の大きなメリットは、接触後でも48時間以内であれば高い予防効果が期待できることです。これは予防接種では不可能な「即効性」です。
インフルエンザ患者と濃厚摂取をしたときは、早めに予防的投与を行いますとされており、タイミングを逃さない迅速な対応が重要です。
授乳中のお母さんにとって、家族の健康を守ることは最優先事項です。安全性が確立された予防薬を適切に使用することで、お母さん自身の健康と、それによって守られる赤ちゃんの健康、両方を確保することができるのです。

