大学入学共通テストの直前にお子さんがインフルエンザにかかってしまったら、どうなるのでしょうか?「これまでの努力が水の泡になってしまうのでは」と不安に思う親御さんも多いことでしょう。確かに、インフルエンザにかかると本試験は受験できませんが、実は救済措置として追試験制度があるのです。この記事では、共通テスト直前のインフルエンザ対応について詳しく解説し、最終的には「インフルエンザ予防薬」という強力な対策もご紹介します。
大学入学共通テスト直前にインフルエンザになったらどうなるのか?
インフルエンザで本試験は受験不可、追試験が救済措置
大学入学共通テストは、試験当日にインフルエンザ罹患し治癒が完了していない場合は受験できません。基本的に別室での受験等も不可能で、追試験を受けることになります。これは感染拡大防止のための厳格なルールです。
大学入学共通テストも、各大学の個別試験も、原則、学校保健安全法が定める出席停止期間(インフルエンザの場合は発症(=発熱)した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで。)は受験不可としているという明確な基準があります。
追試験のスケジュールと申請方法
2026(令和8)年度の追試験の日程は、2026年1月24日(土)、25日(日)に予定されています。本試験から追試験までの期間が1週間となるため、体調回復と同時に追試験対策も必要です。
追試験の申請は、「受験上の注意」に書かれている申請受付時間内(試験4日前から、試験2日目までの所定の時間)に次の手順で行う必要があります:
- 本人または代理人が受験票記載の問い合わせ大学に電話連絡
- 医師の診断書(治療期間が明記されたもの)を準備
- 指定期限内での申請手続き
なぜこのような対応になるのか?
感染拡大防止が最優先
これは、追試験が本試験よりも後の日程で行なわれることで、本試験を受験した人よりも有利になるようなことが起こらないようにするためです。公平性の確保と感染拡大防止の両立を図った制度設計となっています。
追試験の難易度について
多くの受験生や保護者が気になるのが「追試験は本試験より難しいのか?」という点です。大学入試センターの公式見解として、追試験では本試験と異なる問題が出されますが、試験難易度に差はないといわれています。本試験と同様に問題が作成されるため、追試験を受けたからといって不利になるようなことはないとされています。
しかし、追試は、受験者数が少ないため、新形式・新傾向を試したり、典型的分野以外の設問が出題されたりする可能性がありますという指摘もあり、心理的な負担は大きいと言えるでしょう。
具体的な事例・体験談
追試験受験者数のデータ
実際に、2025(令和7)年度の大学入学共通テストでは、全国の大学で合計992名(東日本:567名、西日本:425名)が追試験の受験を許可されました。これは全体の約0.2%に相当し、決して珍しいことではありません。
| 年度 | 追試験受験者数 |
|---|---|
| 2021(令和3) | 1,021人 |
| 2022(令和4) | 915人 |
| 2023(令和5) | 2,737人 |
| 2024(令和6) | 1,085人 |
| 2025(令和7) | 561人 |
実際の体験談
受験直前のインフルエンザは決して珍しいことではありません。「受験の日に向けて一歩一歩積み上げてきたことを思うと、受験生のショックは計り知れないものと想像されます。簡単に気持ちを切り替えられることではないと思いますが、3月入試を視野に入れるなど、受験できる可能性もゼロではありません。まずは休養を優先して、できるタイミングで学校の先生や塾の先生と受験計画を練り直しましょう」という専門家のアドバイスがあります。
また、追試験は本試験を受けた人が不利にならないように、本試験よりも難易度が高く作られます。そのため極力本試験を受けられることが望ましいですが、本試験を受けられなかった場合も諦めず、気持ちを切り替えて追試験の対策をしましょうという現実的なアドバイスもあります。
SNSやWEBで話題の投稿・参考情報
医療専門家による予防対策の重要性
「受験生だからこそ、用心にこしたことはありません。受験の時期は家の中でマスクをつけて過ごすことも、インフルエンザの予防対策となります」
この投稿では、家庭内でのマスク着用という徹底した対策の重要性が強調されています。特に受験直前期は、普段以上に慎重な感染対策が求められます。
追試験の現実について
「追試験の方が基本的に難しいです。理由としては、追試験を受けた方が簡単で、有利だったって状況にするのは絶対にまずいからです」
引用:センター試験の追試験って本試験より難易度が上がるんですか? – Yahoo!知恵袋
受験生からの生の声として、追試験に対する不安が表れています。公式には同程度とされていても、受験生にとっては心理的な負担が大きいことがわかります。
医師による予防投与の推奨
「抗インフルエンザ薬の予防投与により、インフルエンザの発症を約70〜80%防ぐことができると言われています」
医療機関からも、受験生に対するインフルエンザ予防薬の有効性が報告されています。特に重要な試験を控えた時期には、予防薬が強力な選択肢となります。
保護者の体験談
「私がノロウイルスにかかり、娘にも感染してしまったため、いくつもの大学を受験できなくなってしまった。勉強も軌道に乗っていたようだったのに…申し訳なさでいっぱいです」
引用:受験直前のピリピリ時期 身体のケアでさらにやる気アップ|Benesse
この投稿は、家族からの感染という現実的なリスクを示しています。受験生本人だけでなく、家族全体での感染対策の重要性がよくわかります。
受験生の実体験
「中学受験の時にインフルエンザにかかってしまい、第一志望校に落ちたのです。第一志望校の受験は、インフルエンザによる高熱を必死に抑えながら臨むことになってしまったのです」
引用:受験生のインフルエンザ対策に!「予防内服」と「オンライン診療」 [医療情報・ニュース] All About
医師自身の受験体験談として、インフルエンザが受験に与える深刻な影響が語られています。この経験から、現在は予防薬の重要性を強調されています。
やはり最も重要なのは「予防」
万全な予防策としてのインフルエンザ予防薬
これまで見てきたように、追試験制度はあるものの、やはり本試験を万全の体調で受験するのがベストです。そのため、極力本試験を受けられるように予防をしておくことが必要です。
従来の手洗い・うがい・マスク着用に加えて、「インフルエンザ予防薬」という強力な選択肢があります。抗インフルエンザ薬(タミフル・イナビル・ゾフルーザなど)を発症前に服用または吸入し、体内でウイルスが増える前に抑える方法です。臨床研究では、発症を80〜90%防ぐ効果が報告されています。
インフルエンザ予防薬の効果とメリット
インフルエンザ予防薬には以下のような特徴があります:
| 薬剤名 | タイプ | 服用方法 | 予防効果 | 料金目安 |
|---|---|---|---|---|
| オセルタミビル(タミフルジェネリック) | 内服薬 | 1日1回×10日間 | 約80% | 7,800円 |
| イナビル | 吸入薬 | 1回吸入のみ | 約77% | 9,900円 |
受験生にとってのベストタイミング
受験生の場合、予防内服のベストなタイミングは、本番1~2週間前からです。中学・高校入試が集中する1~2月や、大学入学共通テストや私立大学入試の時期は、インフルエンザの感染拡大が起こりやすく、特に注意が必要な時期です。
一般的には試験の約1週間前から開始するのが理想です。薬の効果は7〜10日ほど持続しますので、入試が2月1日の場合は1月25日頃から開始が目安です。
オンライン診療による便利なサービス
現在では、オンライン診療でインフルエンザ予防薬を処方してもらうサービスも充実しています:
- 診察料0円(薬代のみ7,800円〜9,900円)
- 24時間WEB予約受付
- 最短即日発送、翌日お届け
- 来院不要でスマホ1台で完結
- 家族分もまとめて処方可能
まとめ:備えあれば憂いなし
大学入学共通テストの直前にインフルエンザにかかった場合、本試験は受験できませんが、追試験制度という救済措置があります。しかし、発症日から自宅療養の解除日を計算し、振替可能な試験や追試験を受けられるかどうかを確認しましょうという手続きが必要で、心理的な負担も大きいものです。
何より大切なのは「感染しないこと」です。基本的な感染対策に加えて、インフルエンザ予防薬という選択肢があることを知っておくことが重要です。海外からの報告では72-82%の発症予防効果が、日本国内からの報告では90%を越える発症予防効果が報告されていますという高い効果が期待できます。
できる限りの予防をしっかりして、受験生の皆さんが、とにかく試験本番を無事に受けられることをいちばんに願っています。大切な受験を万全の体調で迎えるために、今できる最大限の準備をしておきましょう。
これまで積み重ねてきた努力を無駄にしないために、インフルエンザ予防薬という「最後の砦」を検討してみてはいかがでしょうか。
